海外で看護師として働くためには、その国の看護師免許が必要です。国(州)によって登録方法は異なり、基準や申請の方法も変更があるため、申請をするときに「正しい情報」を入手することが大切です。
今回は、私がイギリスの看護師免許を申請したときの経験、そしてこれまでサポートをしてきた方々の情報をもとに、日本の看護師免許を保持している人のイギリス看護師免許の取得方法と流れを紹介します。
免責事項:この情報は、現時点での情報であり、今後変更される可能性があります。最新情報の確認は必ずご自身で行ってください。
イギリスで看護師になるには?NMC(イギリス看護助産協会)登録の条件
イギリスで看護師として働くためには、イギリス看護助産協会(Nursing Midwifery Council: NMC)に登録する必要があります。
登録するための基本的な条件は、2つです。
- 看護師免許を取得している
- 3年以上の看護教育を受けている
登録するには、3つの試験に合格する必要があります。
- 英語試験(IELTSまたはOET)
- CBT(看護と医療に関する試験)
- OSCE(実技試験)
OSCEの試験会場はイギリスのみですが、その他の試験は日本でも受験することができます。
1.英語試験のスコア基準|IELTS・OETの合格ラインと有効期限
イギリス看護師になるための英語試験は、IELTSとOETのどちらかを選ぶことができます。
IELTS Academic の基準
- リスニング・リーディング・スピーキング:7以上
- ライティング: 6.5 以上
※テスト結果の有効期限は、提出時点から 2年以内 に受験していることが求められています。
※また、テストの4つの技能は同時に受ける必要があり、4技能別々に受験したものでは証明として認められません。
OET(医療従事者向け英語試験)の基準
- リスニング・リーディング・ライティング: Grade B(350~440点)以上
- ライティング: Grade C+(300~340点)以上
※IELTS と同じく、テスト日から2年以内であること、4技能を同時に受験していることが必要です。
スコアを合算(Clubbing)する場合の条件
スコアが足りない場合は、一定の条件をもとに2回の試験結果を組み合わせることができます。同じ試験(たとえば IELTS 2回、または OET 2回)を 12ヶ月以内 に2回受験する必要があります。試験は、4技能すべてを受験する必要があり、個別技能のみ再受験という形は認められていません。
合算して基準を満たせば証明として認められます。ですが、各技能の最低値も定められています。
- IELTS の場合:最低でも各技能 6.5(Writingは6.0)以上 のスコアでなければ2回合算でも認められません。
- OET の場合:最低でも各技能 Grade C+(300点以上)※WritingはGrade C(250点以上) 以上でなければなりません。
スコアがわずかに足りない場合(SIFE制度)
スコアが 所定の基準を少し下回っている場合 に活用できる制度「Supporting Information From Employers (SIFE)があります。この制度には、たくさんの決まりが設けられています。詳しくは、下記の記事を参考にしてください。
参考:イギリス看護師|英語試験のスコアが緩和される条件について
2. NMCオンラインアカウント作成と申請の開始
NMC公式サイトでアカウントを作成することで申請をすることができます。
3. 日本の看護師免許の提出と審査(厚労省による確認)
日本の看護師または助産師の免許を提出します。NMCは、あなたの資格が英国の看護教育水準と同等であるかを審査します。この審査には、厚労省の協力が必要で、大体2〜4ヵ月かかります。審査費用は£140です。
4. 知識・実技試験「Test of Competence(ToC)」の内容と対策
免許の審査が終わったあとは、2つの試験に合格する必要があります。
CBT(Computer Based Test):知識試験
知識試験(コンピュータベース)
- Part A: 計算問題 15問, 30分
- Part B: 臨床問題 100問, 2時間30分
- 受験料:£83
- 最大3回まで受験可能
OSCE(Objective Structured Clinical Examination):実技試験
看護技術・記録の実技試験
- 10つの小試験(ステーション)を受ける
- 受験料:£794
- 最大3回まで受験可能
5. 健康診断および人物証明(警察証明書・無犯罪証明書)
健康チェックを受ける必要があります。また、人物証明では警察証明書(無犯罪証明書)の提出が必要です。
6. 最終申請の提出と登録料の支払い|PIN(登録番号)の発行まで
すべての証拠書類を提出し、審査を通過すると登録手続きに進みます。最後に登録料£153を支払います。すべての登録完了後、PIN(登録番号)が発行され、イギリスで看護師として働くことができます。
イギリス看護師免許取得のポイント(費用・期間・学歴)
イギリス看護師免許の特徴は、安い・速い・専門卒も可の3つです。資格を取得するために学校に通う必要もなく、規定の試験に合格すれば免許を取得することができます。
取得にかかる費用は、£1,170で日本円にすると約20万円程度です。そして、申請から大体1年くらいで免許の取得が可能です。
また、イギリスの看護師になるためには大卒(学士)は必要ありません。3年以上の看護教育を受けていることが基準のため、専門卒でもなることができます。
各試験の難易度と対策:最大の難所は「英語試験」
3つの試験のなかで一番難しいのは、英語試験です。数年で合格する人もいれば、長い人で10年かかります。一番お金と時間のかかる道のりのため、精神力が試されます。
CBTは看護と臨床経験がベースにあるため、ネットにのっている情報で十分対策できます。
OSCEは、ステーションが多くあり、看護技術に関しては口頭で手順を説明する必要があります。看護教育を英語で受けていない日本人看護師にとっては、大きなハードルになるため、国営病院または民間会社の運営する研修を受けることをおすすめします。
さいごに
免許の申請は、複雑そうに感じるかもしれませんが、英語試験に合格するチカラと精神力があれば問題なくできます。すべてのプロセスを経て思うのは、自分を信じることが大切だということです。
英語試験の難しさ、手続きの遅れなどから「もう無理かも」と感じる瞬間があるかもしれません。 でも、自分を信じて「必ずできる」と思える人は、 諦めずに一歩ずつ前に進めます。
自信はモチベーションの“エネルギー源”です。
You can do it!を合言葉に自分を信じてみてくださいね。応援しています!
