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【現役国際看護師が徹底解説】アメリカで国際看護師になるには?資格取得から就職まで完全ロードマップ

「海外で看護師として働いてみたい」
漠然とした憧れはあるけれど、何から始めたら良いのか、どんな道があるのか分からずに、夢を心の奥にしまい込んでいませんか?

こんにちは!アメリカ・ハワイ州で現役看護師として働く傍ら、国際看護師を目指す方々のためのコミュニティ「BeLight(ビライト)」を運営しているMitsukiです。

この記事では、私自身の経験とコミュニティ運営で得た知識を元に、アメリカで看護師になるための具体的なステップを余すところなくお伝えします。

【この記事を読めばわかること】

・アメリカで働く看護師のリアルな役割、給料、働き方

・日本の看護師免許からアメリカの免許を取得するまでの5つのステップ

・資格取得にかかるリアルな費用と期間

・渡米後の就職活動を成功させるためのポイント

アメリカ看護師のリアルな働き方と待遇

日本とこんなに違う!日米の看護師の役割と責任範囲

アメリカでは、正看護師(RN:Registered Nurse)が活躍する場は病院に限りません。
そして、それぞれの場で求められる役割や責任範囲は日本と大きく異なります。

専門性の高い看護師(NP:Nurse Practitioner)や、免許を持たないアシスタントが主に活躍しており、RNのポジションは少なめ。

医師が常駐していない施設がほとんどで、看護師が医療的な判断を下す場面が多くあります。

Assisted Living: 日常生活の介助が中心。看護師は、看護助手(CNAやNA)が行うバイタルチェックや配薬などを監督(Oversee)する立場です。

Skilled Nursing Facility (SNF): 急性期病院を退院した後のケア(Post-Acute)、長期療養(Long-Term)、リハビリ、ホスピスなど、より医療・看護度の高いケアを提供します。看護師は1人で15〜30人ほどの患者を受け持ち、配薬、経管栄養、点滴、気管切開(Trach)管理、救急対応などを担います。医師へは電話で指示を仰ぐのが基本です。

日本と同様に、多様な診療科で専門的な看護・医療を提供します。アメリカは特に入院期間が短く、例をあげると通常分娩だと翌日退院など。

医師が患者宅を訪問することはほとんどなく、電話での指示に基づき、看護師(RNまたはLPN)が主体となってケアを行います。

学校の保健室で働く「スクールナース
保険会社や病院で患者のケアプランを管理する「ケースマネージャー
製薬会社などで新薬の開発に関わる「治験コーディネーター
など、非常に多彩なキャリアパスがあります。

気になる給料事情は?

アメリカの看護師の給与は、州や地域、経験年数、専門分野によって大きく異なります。
物価の高い州ほど給与水準も高い傾向にあります。

一例として、私が住むハワイ州では、新人看護師でも時給30ドル以上からスタートすることが一般的です。残業(オーバータイム)や休日出勤には、給与が1.5倍から2倍になる手当がつきます。

ワークライフバランスは?勤務体系と年間休日

働き方の柔軟性が高いのもアメリカの特徴です。

勤務体系
病院: 週3日の12時間勤務(36時間/週)がフルタイムの基本
施設: 8時間ごとの3交代制が一般的
訪問看護: フルタイムやパートタイム、月1回程度の勤務など多様

【5ステップで完全攻略】アメリカ国際看護師になるためのロードマップ

アメリカで看護師になるには、大きく分けて2つの方法があります。

1.アメリカの看護大学に通い、卒業する
2.日本の看護師免許を、アメリカの免許に書き換える

ここでは、「2. 免許の書き換え」のプロセスを5つのステップで解説します。

この手続きは、日本に住みながらでも進めることが可能です。

【STEP 1】書類審査機関へ申請

まずは、日本の看護師免許や学歴が、アメリカの基準を満たしているかを審査してもらう必要があります。

審査機関: 多くの人がTruMerit(旧CGFNS)という第三者審査機関を利用します。

申請先: アメリカの看護師免許は州ごとの管轄(州免許)です。自分が免許を取得したい州の看護協会(BON: Board of Nursing)のウェブサイトで、どの審査機関を利用すべきか、または直接BONに申請するのかを必ず確認しましょう。

提出書類: 卒業した看護学校の成績証明書やカリキュラム、厚生労働省が発行する看護師免許の証明書などを、各機関に直接送付してもらう手続きが必要です。

【STEP 2】州の看護協会(BON)による審査

書類審査機関からレポートが送られると、次は州による審査に進みます。州によっては、特定の講習の受講、TOEFLIELTSといった英語能力試験のスコア提出が求められる場合があります。

【STEP 3】NCLEX(看護師国家試験)の受験申請

州の審査を通過すると、ようやくアメリカの看護師国家試験「NCLEX-RN」の受験資格が得られます。

Pearson VUEという第3機関に登録します。

州の看護協会からATT (Authorization to Test) という受験許可番号が発行されます。

ATTを受け取ったら、希望する試験会場と日時を予約します。

日本国内では、東京と大阪の2か所で受験が可能ですが、米国外での受験には追加料金(International Fee)がかかります。

【STEP 4】試験合格と免許発行

NCLEXに合格すると、免許が発行されます。
ただし、免許の有効化にはSSN(Social Security Number:社会保障番号)が必要な州があります。

【STEP 5】就職活動

免許取得後の就職活動は、日本と大きく異なります。成功の鍵は、マインドセットの転換です。

「看護師=病院勤務」という考えを手放しましょう。特にアメリカでの臨床経験がない場合、まずは経験を積むことを最優先に、幅広い職場を検討することが重要です。

新卒や経験が浅い場合、ボランティアやパートタイム(Per Diem)、オンコール勤務から始めるのも有効な戦略です。半年でも実務経験があれば、その後のキャリアの可能性が大きく広がります。

病院や施設の公式サイト、ジョブフェア、IndeedLinkedInなどの求人サイトを活用します。人脈も重要です。

応募の準備

レジュメ(履歴書): アメリカの採用システム(ATS)を通過しやすい形式で作成します。

カバーレター: 応募するポジションへの熱意を伝える手紙です。

推薦者(Reference): 推薦者(元上司など)の連絡先を準備しておきましょう。

資格の更新: BLS(一次救命処置)やACLS(二次救命処置)などの資格は事前に更新しておきます。

日本との違い

病院全体ではなく、部署単位で応募するのが一般的です。

日勤や夜勤など、希望のシフトを選んで応募できます。

転職がキャリアアップの一環と見なされており、職場が合わなければ短期間で移ることも珍しくありません。

費用は?期間は?お金と手続きの現実的な話

総額いくらかかる?資格取得費用のシミュレーション

資格取得までにかかる費用は、利用するサービスや受験地によって変動します。

以下はおおよその目安です。

項目費用(目安)備考
TruMerit(CGFNS)申請料 6万円サービス内容による
州の看護協会(BON)への申請料2万円州により異なる
NCLEX受験料3万円
米国外受験の追加料金2万円東京・大阪で受験する場合
教材費5万円UWorld(オンライン問題集/サブスク)、Saunders(参考書)など
合計18万円

※上記に加え、書類の郵送費、翻訳料、証明書発行手数料、英語試験の受験料などが別途必要になる場合があります。1ドル150円で換算しています。

最短でどれくらい?準備期間のモデルスケジュール

かつては書類審査だけで1年以上かかることもありましたが、近年はプロセスが迅速化し、3ヶ月から半年ほどで完了するケースも増えています。


審査がスムーズに進み、NCLEXの準備ができていれば、申請開始から1年以内に免許を取得することも可能です。一般的には、1年半から2年ほどで達成する方が多い印象です。

準備を進めるため、以下のような方法があります。

・試験前の数ヶ月間は勉強に集中するため、仕事を辞める・休職する
・常勤からパートタイムに切り替える
・夜勤がなく、心身の負担が少ないクリニックへ一時的に転職する
・英語を使う職場で働き、モチベーションを維持する
・(渡米済みの場合)看護助手(CNA)として現地の医療現場で働きながら勉強する

費用を抑える賢い方法|エージェントは使うべき?

費用を最も抑える方法は、エージェントに頼らず、自分で書類申請を行うことです。エージェントに申請代行を依頼すると、40万円から100万円程度の費用がかかることがあります。エージェントも書類の取り寄せなど、本人でなければできない手続きは代行できないため、コストとサービス内容をよく比較検討する必要があります。

資格取得はスタートライン!アメリカの医療現場で輝くための秘訣

アメリカで看護師として本当に「活躍」するためには、資格以上に大切なことがあります。

高度なコミュニケーション能力
単に英語が話せるだけでなく、多国籍の同僚や患者と円滑な人間関係を築く力が求められます。相手の文化を尊重し、自分の意見を明確に伝える姿勢が重要です。

こだわりやプライドを捨てる勇気
日本のやり方が通用しない場面は多々あります。自分の経験への固執やプライドは一度手放し、新しい環境のルールや方法を素直に学ぶ柔軟性が成長の鍵です。

仲間を頼る力
一人で抱え込まず、分からないことや困ったことは、周囲の同僚やメンターに積極的に相談しましょう。助けを求めることは、決して恥ずかしいことではありません。


まとめ

アメリカで国際看護師になる道は、決して簡単ではありません。しかし、一つ一つのステップを確実にクリアしていけば、夢は必ず実現できます。

この記事でお伝えしたロードマップが、あなたの挑戦の第一歩を踏み出すきっかけとなれば、これほど嬉しいことはありません。

ナスタミは、あなたの挑戦を、心から応援しています!


BeLightは、3つの”E”(Encourage/Embrace/Empower) を大切に、国際的に挑戦する看護師をサポートしています。

私たちのミッションは、看護師が自身の可能性を信じて挑戦し、自分らしく輝ける場所を開拓するお手伝いをすることです。主なサービスとしてアメリカ看護師ピアサポートコミュニティの運営、ハワイでの医療・看護研修サポートなどを行っています。

公式ウェブサイト:https://belight-eee.com/

問い合わせや各種サービスは公式LINEから:https://lin.ee/qZZ5SsW

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ナスタミは、国際看護師がつながり合い、成長し、グローバルな医療支援を実現するためのプラットフォームです。看護師や医療者が「知る」「楽しむ」「交流する」をキーワードに、国内外で活躍する仲間と共に、新しい看護の形を創り出していくことを目指しています。私たちの活動に共感し、共に未来の国際看護を作り上げていく仲間を募集しています。国際医療や看護に情熱を持ち、協力して新しいプロジェクトを実現していく意欲のある方、大歓迎です!

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