はじめに:転職から得た学びと、次の一歩を踏み出す準備
Bonjour!じゅんこです。
前編では、これまで数多くの転職を経験した私の実体験をもとに、どう歩んできたのか、転職からどのような学びを得ているかについてご紹介しました。
後編では、「じゃあ、転職するにはどういう準備・心構えでいるとベターなん?」という点について、これまた私の経験を通して私自身が感じたことをもとにご紹介したいと思います。
国際看護師の転職活動:2つの重要ステップ
私のこれまでの転職履歴は多岐にわたります。
- 公立病院の婦人科・消化器内科の混合病棟で看護師勤務
- 同院の産科で助産師勤務
- 一旦退職後、同院同科で夜勤バイトで助産師勤務
③’. 公衆衛生ボランティア(1ヶ月間)@スリランカ - JICA海外協力隊で助産師隊員として派遣@ベナン→約一年後にCOVID-19パンデミックのためベナンから強制帰国
- NGOでインターン(フルリモートでファンドレイズ分野)
⑤’. COVID-19の宿泊療養看護師勤務
⑤”. ユース&レディースクリニックで助産師勤務 - 某大学熱帯医学研修課程在籍・修了
- COVID-19の宿泊療養看護師勤務(ド短期)
- 大学院在籍・修了@UK
- 帰国後、COVID-19対応保健師勤務(ド短期)
- WHO@ザンビア
- NGO@ガーナ
- JICA@パキスタン
これまでの経験から、転職活動において最も大事なのは以下の二点だと感じています。
- 情報収集
- 基本的書類の準備
この2つのステップを具体的に見ていきましょう。
ステップ1:情報収集と「良い職場」の見極め方

今の時代、ソーシャルメディアを通じて手軽に情報収集ができるようになりました。私が実践している情報収集術と、良い職場を見極めるためのポイントをご紹介します。
求人サイトやエージェントの賢い使い方
自分が興味のあるプラットフォームに登録し、定期的に、あるいは自動的に求人情報や空席情報を受け取れるようにしておくのが一つの手です。私も2〜3個登録しています。
また、興味のある会社や団体のウェブサイト等を定期的に、能動的に見に行って、人材募集状況をチェックするのも良いでしょう。私は週に1回、もしくは2週間に1回の割合で興味のあるものはチラチラ覗いています。
COVID-19のパンデミック以降、Zoom等での就職説明会的なものも多く実施されています。その組織についてよりよく知る機会ですし、質疑応答の時間もあるので、気軽に参加してみると良いかもしれません。
SNS(LinkedInなど)での人脈構築と情報収集術
ソーシャルメディアの中でも特にLinkedInはビジネスに関するネットワーク構築に特化しているので、ここで自分のプロフィールを充実させることで、お仕事のお誘いがきたり、自分が興味のある地域、分野等を設定することで求人情報を見たりすることができます。
私は実際、翻訳のお仕事のお誘いや製薬会社、コンサルファームからアプローチされたこともあります。対象地域・国も設定できるので、ザンビアにこのまま残りたいな〜と思っていたときは、対象地域をザンビアに設定して、自分の専門性と合致する求人への応募を検討していました。
LinkedInに関しては、少しお金を払ってプレミアム会員的なものになると、自分のプロフィールがどの程度その求人にマッチしているかや、その求人への応募者全体の中でどのくらいに位置しているのか(「top applicantになれるでしょう」といったような)も知ることができたりします。
求人情報から自分を見つめる
求人情報を定期的に見ることは、チャンスを逃さないという利点以外にもあります。それは、自分が身につける必要のあるスキルを知ることができるということ!
ときどき、すごく興味のある募集を見ても、必須スキル/経験の項目を読んでみると、「あ、今の自分だとまだ厳しいかも…😭」と現実を見るときの多々ありました。笑
そんなときも「そうか、今の自分は○○のスキルはあるけれど、こういうポジションで働くには△△の経験とかをこれから積む必要があるんやな〜」と、落ち込む代わりに自己分析できた機会と見えた方向性に感謝しましょう!
転職するならただ単なる並行移動ではなく、垂直方向へ移動したいですよね。さらに専門性が伸ばせる、成長できる、収入が上がる、など。個人的には斜め右上(=専門性も広がりを見せていきたい)で進んでいきたいなあ、とか思っています。
そう考えると今のスキルでは理想的な転職をすることが難しいこともあります。日々学習、日々成長、日々自己研鑽。その努力が今の自分を成長させ、一年後には身を結びます(と断言はできないけどするはず!!)。
私は今でも毎日英語、フランス語の勉強をしています。英語に関しては特に今の状態でも仕事はできるし、ミーティングとかイベントの際に「何かひとこと英語で!」と言われても即興でそれっぽいことは言えるし、「面接は英語です」と言われたとしても特にビビりません。でも、やっぱり学習しないと伸びないんですよ。そして学ぶって能動的な行為。何かを吸収しようと思うその姿勢が大事なんだと思います。フランス語は次の転職で必ず活かしたく、自分の今の英語レベルにまで上達するのが目標。日々勉強です。
ステップ2:転職経験を「強み」に変える応募書類と面接術

求人情報をゲットして、これだ!と思ったものにスピード感をもって応募できるように、特に書類系は準備しておくことをお勧めします。
履歴書(CV/レジュメ)の書き方と職務経歴書の重要性
特に、
- 履歴書
- 職務経歴書
- カバーレター
- 志望動機書
の雛型を作成しておくと良いと思います。もし日本以外で働きたい場合は、日本語・英語、その他自分が働きたいと思っている国・地域の言語で書いたものを用意しておくこと。
そして、自分のキャリアの棚卸しを1ヶ月に1回はすること。1ヶ月に1回はさすがに頻回すぎる、という人は四半期に1回でもかまいません。要するに目的はタイムリーに履歴書&職務経歴書はアップデートすること。
特に職務経歴書は、自分がどういう状況で何をやったか、細かく書き出します。この段階では細かく書いてしまってOK。何を削ぎ落とすかは、提出するときに考えれば良いです。タイムリーにアップデートすることで、あとから、「あのとき、なにしたっけ⁇🤔あのプロジェクトの詳細思い出せない~~」など、考え込む時間が減ることにも繋がると思います。
もちろん、雛型があれば安心というわけではなく、そこに書く内容は応募先の団体の理念や応募するToR(Terms of Reference: 職務記述書)によって適宜変更する必要はあります。
「何を学び、どう貢献したか(実績)」を示すことの重要性
その他、
- 学位書
- 各資格証明書
もスキャンしてPDF化していると完璧です!海外にいると、証明書まで一緒に持ち運んでいることが少ないので、必要そうなものは全てスキャンしておきましょう。
そして、情報収集をしてアンテナを張っておくと、ビビッとくるものに出会うかもしれません。
個人的には、これだ!と思ったら、あまり躊躇せずに応募してみたり、ポジションについて気になることがあるのであれば担当者に連絡したり、とどんどん動いちゃっていいと思っています。
質より数、と言っているわけではもちろんありません。本当に働きたいと思えるものなのかは吟味する必要があります。
ただ、上で書いたように、普段から必要書類を準備しておくことで、応募へのハードルは一気に下がります。一から全て準備しようと思うと重い腰は本当に上がらない。笑 そういう意味でもある程度書類を準備しておくのはかなり利点があると思います。
私はよくサーフィンに例えるのですが(自分はサーフィンしたことないけれどw)、めっちゃええ波やな〜と思っても、準備運動してないと、サーフボード持ってないと波に乗れないですよね。もっと言うと、ええ波やな〜ってわかるのは、日々「波」を観察しているからですよね?
転職も同じです。ちらちら求人を見て、情報を得たり、人からアドバイスをもらったり(人とのつながりも大事!日本人はコネって言葉があんまり好きじゃないかもですが、ネットワークとかも上手く活用できると◎)、気になる団体にはアクセスしてみたりして、「この空席・求人(=波)は良いものなかそうでないのか」がわかるセンスを磨いておくこと、また、常日頃から必要書類(=サーフボード)を準備しておくことは本当に大事です。
面接対策:効果的な回答準備と心構え
書類に加え、面接の準備も進めたいですよね。面接もいろいろな種類があるので、この方法さえマスターすればOKというものは無いと思います。でも傾向はあるはずなので、その情報を得て、傾向への対策を行いましょう。
例えば国連のポジションに就きたい!と思ったとき、国連で広く使われてインタビューはCompetency-based interview(CBI)というものです。
このCBIは、ざっくり言うと、「過去のイベントに対して取った行動が、未来で同じような場面に直面したときに取るであろう行動を予測するもの」という感じ。要するに、聞かれる質問としては、
- 今までチームで働いているとき、チーム内で意見が分かれてしまった場合、あなたはどのように対処しましたか?
- 今までのあなたの仕事の中で、良い結果が出たときのことを説明してください。
みたいなもの。「過去の行動は、未来の行動を予測できる」という原則に基づいたものらしいです。
そして、こういった質問に対して、「STARモデル」とか「CARLモデル」と言われるような、シナリオ型の回答を準備する必要があります。
- STARは「Situation・Task・Action・Result」
- CARLは「Challenge・Action・Result・Learning」
の略。このタイプのインタビューの場合は、具体的に描写できるストーリーをキャリアの棚卸しをしながら、いくつか準備しておく必要があります。
ただ、どのインタビューでも共通しているもの。それは、
- この人は本当に我々の団体の理念に共鳴しているのか?
- 団体のMandate(使命)を理解しているのか?
- ToR(職務記述書)を徹底的に理解できているか?
- そのToRを遂行できる力の持ち主なのか?
を確認する場であるということ(※私の経験に基づく見解です)。これらを念頭において準備することがはじめの一歩ではないでしょうか。
おわりに:未来の国際看護師たちへ
もし、応募して、思ったような結果が得られなくとも、自分を低評価する必要はありません!もちろん、本当に実力不足のこともあるので、落ちた経験から学ぶことも大事です。一方、むやみに「自分はなんて無能で必要とされていない人間なんや…」とか思い込んでしまうことはなく、選ばれなかったときは、
- 「自分よりも優れている人がいた!」
- 「今の自分はここで働く段階ではなくて、他に良い機会があるという啓示だ!」
とか思った方が、精神衛生上、健康に過ごせると思います😇
Don’t take it personally! このメンタリティー、結構大事だと思っています。
国際看護師への道は、時に険しく、予期せぬ困難が立ちはだかることもあります。しかし、その一つ一つの経験が、あなたを唯一無二の存在へと磨き上げてくれるはずです。失敗を恐れず、常に学び続け、前向きな姿勢で挑戦し続けてください。あなたの情熱と努力は、必ず誰かの力となり、世界をより良い場所へと導くでしょう。
私のJourneyもまだまだ続きます。一緒に頑張りましょう!未来の国際看護師たちへ、心からのエールを送ります。